『２１世紀　イギリス文化を知る事典』（東京書籍）が出版された。イギリス「文学」にかぎらず、イギリス「文化」を幅広くとらえることができる一冊で、調べ物のためだけでなく読んでも面白いのが大きな魅力である。編者の出口保夫氏、小林章夫氏、齊藤貴子氏に鼎談していただいた。（鼎談日・３月６日、神奈川・鎌倉にて〔須藤巧・本紙編集〕）

鼎談
出口保夫(早稲田大学名誉教授)
小林章夫(上智大学教授)
齊藤貴子(早稲田大学講師)

出口保夫・小林章夫・齊藤貴子編『２１世紀　イギリス文化を知る事典』４・４刊、Ａ５判函入八三〇頁・本体九五〇〇円・東京書籍

●イギリス文化研究の重要性

小林　『２１世紀　イギリス文化を知る事典』（東京書籍）の特色は何でしょうか。
出口　今から四半世紀ほど前に、ぼくが編集代表になって研究社から『イギリスの生活と文化事典』（一九八二年）を出しました。「文化事典」というものとしてはおそらく最初の試みだったと思います。今回の事典も、全体的な構成など、大まかには旧版『文化事典』に範をとっていますが、しかしまったく斬新でかつ魅力的、見事な企画立案になっています。たまたま去年は日英修好百五十年の節目でもあったし、ミレニアムを迎えて、『文化事典』の出た八〇年代とは時代の相も変化がありま...






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