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本を生きる 
本を生きる 
小林章夫編
No.2912 ・ 2009年04月04日




 上智大学刊行の季刊誌『ソフィア』二〇〇二年九月‐〇八年六月に掲載された「リレーエッセイ――書物をめぐる旅」をまとめたもので24人が執筆している。
 本との出合いが人生を変える、という経験を持つ人は少なくないだろう。「書物をめぐる旅」という題を示されて何をイメージしたか。筆者はそこで自分の歩んだ道を振りかえったに違いない。だからだろうか、これは人生の転機となった読書の物語となっている。
 新井満「『木を植えた男』と出会って」は、ある日妻が一冊の絵本を持ってきて「これ面白いわよ、お読みになったら」という。仕事中だったのであとまわしにしたかったが「おねがいだから、今すぐ読んでちょうだい」とたたみかけられて、その絵本、『木を植えた男』を手に取る。物語は南仏プロヴァンスの山の中で若者が道に迷い、羊飼いの老人に救われる。老人は夕食後どんぐりをテーブルに広げ、そこから丈夫などんぐりを百個選ぶ。翌日老人はそのどんぐりを荒地に植える。木のない土地は死んだ土地。どんぐりがやがて芽を出し、成長して木になり、森になったら……という。長い年月がすぎ、その荒地は緑したたる森に生まれ変わっていた。読み終えて、筆者は感動する。著者のジャン・ジオノの墓参をし、晩年の住居で未亡人にも会う。そして夫婦共著の本まで出...







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