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評者◆秋竜山
あなたホントに日本人?、の巻
No.2906 ・ 2009年02月21日




 『日本人なら知っておきたい、「和」の基礎知識』(日経ホームマガジン、定価五五〇円)を、めくる。日本人なら、これくらいの基礎知識がなくては恥かしい!! と、いうものか。だとしたら、私は日本人として、恥べきものか。本書を読みながら、知らなかったことがいっぱいあった(知らなかったからといって困ったこともなかったが……)。本書には〈日本人検定50問〉というページがあって、〈話のネタに使えるおもしろ雑学、あなたはいくつ分かりますか?〉が、おもしろい。たとえば〈「Q2」「島国日本」と言いますが、さて島の数はいくつあるでしょう?〉わかるはずがない。わかったら、どーかしているだろう。このようなことを日本人として、わからなくてはならないのだろうか。わからないほうが健康的であるとさえ思えてくる。
 〈「A2」ご存じの通り、日本は北海道、本州、四国、九州の4島と、無数の島で形成されている。2006年の海上保安庁の発表によると、その合計数は6852にも及ぶ(海岸線の長さが100m以上あるもの)。最も島を多く持つ都道府県は、長崎県で971。第2位が鹿児島県で605の島を有している。さて、もうひとつ問題を。6852島のうち、人が住んでいる島はいくつあるでしょう。答えは約400。残りの約6450島は無人島である。(略)〉(本書より)
 なんだい。日本は島国でせまいだなんて、この数字をみた限りにおいては、ちっとも悲感することはないではないか。なんて思ってしまう。約6450の島は無人島とは……。もったいない。日本という国は実にもったいないことをしているものだ。だからといって、誰がそんなところへ住むものか。住めるものか。〈[Q26]日本で最初にペンネームを使った作家は誰でしょう?〉の答として、
 〈[A26]文学史上最も古い恋愛小説「源氏物語」。作者は紫式部と答えられても、その作者名が本名ではないことをご存じだろうか。平安時代は、女性の名前が伏せられていた時代。本名はちゃんとあるのだが、世間では夫や父の官名、位階などで呼ばれていた。本当の名前は親と夫しか知らなかったのだ。〉(本書より)
 つまり紫式部はペンネームであった。なーんだ!! そーだったのか。ガッカリ!! いや、ガッカリはしないけど、だまされたみたいだ。ペンネームというものは、だまされたみたいだということがつきものである。
 〈〈日常生活で役立つ「和」の基礎知識〉として〈手紙〉がある。この〈手紙〉というものが曲物であって、つい書きそびれてしまう。早く書いて出せばいいのに、おくれてしまってから、そのおくれたいいわけを書かなければならないと、余計にめんどうなものとなってしまう。そして、出さずじまいということになる。〈定型〉句をきちんと入れないと相手に失礼だと思っている人は非常に多いが、ビジネスレターでもない限り、あまり形式にとらわれる必要はない。むしろ定型句を多用すると、かえって手紙が持つ面白さが削がれてしまう。〉(本書より)
 手紙は相手があってのこと。こっちが面白がっていても、相手がカンカン怒っていてはなんにもならないのだ。







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