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評者◆久保隆
フランス革命前夜の啓蒙思想家像が鮮やか――ヴォルテールが必要な時代に戻った
「知」の革命家 ヴォルテール――卑劣なやつを叩きつぶせ
小林善彦
No.2906 ・ 2009年02月21日




 ヴォルテール(一六九四~一七七八年)は、十八世紀を代表するフランスの啓蒙思想家である。しかし、名前はよく知られているのだが(本書によれば明治期の教科書に、その名は既に登場し、紹介もされているようだ)、同時代人のルソー(一七一二~七八年)に比べてみれば、わが国においてそれほど深く受容されてきたとはいい難い。小説、詩、戯曲、哲学、歴史書といったように、その著作活動は多岐にわたって、しかも膨大な量となっていることもあり、フォーカスして紹介するといったことが困難だったからかもしれない。
 ラテン・アメリカ文学の代表的作家ボルヘスは、自ら編纂した幻想文学全集『バベルの図書館』(邦訳は国書刊行会より発売)のなかの一冊にヴォルテールの『ミクロメガス』を入れている。ボルヘスとヴォルテールという組み合わせにやや意外な思いを抱くのは、わたしだけではないはずだ。ボルヘスがリスペクトするヴォルテールということだけでも、ヴォルテールという思想家像がなにか魅力溢れるものを湛えているように思えてくるのだが、本書は、まさしく「八十四年の生涯を精一杯、思う存分に」疾走したヴォルテールの評伝として、わたしたちに十八世紀の革命前夜におけるフランスの啓蒙思想家像を明らかにしてくれる。
 著者はまたルソーに関した著...







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