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評者◆白井久也
ソ連の形成期に根を張った政治経済体制の解明に取り組む――ソ連社会主義の解剖に欠かせない先駆的かつ画期的な研究
二十世紀初頭ロシアの経済学者群像――リヴァイアサンと格闘する知性
小島修一
No.2906 ・ 2009年02月21日




 一九一七年のロシア革命を基盤とする「ソ連社会主義」の生成と発展。そして、九一年のソ連解体……。それらは、過ぎ去った二十世紀の世界史を揺るがす歴史的な大事件であった。
 それでは、ソ連社会主義とは人類にとって、一体、何だったのか? 当然のことながら、こうした命題に対する解答を求めて、本来なら今ごろ専門学者の間で、様々な研究や論争が行われてしかるべきであろう。だが、「歴史の歯車」の回転は予想外に速く、とっくの昔に消滅してしまったソ連社会主義のことなど、真剣に顧みる動きは余り見られない。世の中はもちろん多くの学者の関心も、米国発の「金融危機」に端を発した「世界同時不況」の進行に心を奪われて、とてもそれどころではないようだ。そういうときに、ソ連社会主義経済システムの解剖に欠かせない本書が刊行された歴史的意義は、決して小さいとは言えまい。
 二十一世紀初頭の現代世界は、戦後の米ソ冷戦に勝って最大の覇権国家となった米国の「一極支配」が崩れて、欧州連合(EU)、中国、ロシア、日本などを含めた「多極競合」へ転換する過渡期にある。この中で、強大な軍事力と豊富な天然資源を有するロシア国家の存在は、非常に大きな重みを持っている。
 その現代ロシアの特性は、すべてソ連時代に形成されたものであって、ソ...







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