中年になってしまった伝説のパンクバンドの復活を描いた映画『少年メリケンサック』がいよいよ二月一四日に公開されるが、きっとヒットする。大ヒットしたら、世の中が少し盛り上がる。
　映画館で見た予告編が楽しそうだったので、さっそく東映試写室に試写を見に行くと満員だった。大層面白いので、口コミで試写にくる人がどんどん増えていったようだ。
　何でも魅力化してしまうプロデューサーの秋山道男さんに、「最近面白い映画見た？」と訊かれたので、すかさず「『少年メリケンサック』！」。
　「なにそれなにそれ？」と秋山さんの食いつきがいいので、東映さんにお願いして、もう一回試写を見させてもらった。
　秋山さんと見たのはマスコミ向け最終試写だったので、上映一時間前に待ち合わせたのは正解だった。警備員のおじさんが、「いつも二〇人ぐらい入れないで帰ってるよ」と教えてくれた。
　さすがに我々が一番だったが、三〇分前になると行列ができ、試写室の補助席まで埋まり、第二試写室が開放されても、入りきれない人がたくさん悔しそうに帰っていった。
　レコード会社のディレクター役・宮崎あおいの気合の入ったポスターも、のりまくっている演技もいい。映画を見れば、宮崎あおいの演技を真似る女のコが世の中に続出すると思うが、あのかわ...






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