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評者◆O
経験の交錯から歴史研究の軌跡が浮かび上がる――歴史家たちが生きた時代を語り、研究テーマを選んだ背景を語る
日韓 歴史家の誕生
木畑洋一・車河淳 編
No.2901 ・ 2009年01月17日




 ソ連史家のE・H・カーは、『歴史とは何か』のなかで「歴史を研究する前に、歴史家を研究してください。歴史家の歴史的および社会的環境を研究してください」と語った。そのことは、歴史家が歴史研究をするにあたって、みずからの生きた時代に影響を受け、その影響のなかで歴史研究が生み出されるのだということを物語っている。
 それぞれの歴史家は、どのようなかたちで歴史家としての成長をとげていったのか。本書『日韓歴史家の誕生』は、日本と韓国を代表する歴史家たちが、みずからの成長のプロセスを語り、歴史家として生きることを決定づけた事柄などを、時代背景に即して語った日韓歴史家会議の講演記録である。
 どのような時代背景や社会状況のもとで、歴史家は問題意識を育み、研究対象を選び取り、そして研究活動を行っていったか。そのプロセスが、本書に収録された各歴史家の講演から浮かびあがってくる。
 本書も指摘するように、韓国の歴史家にとって最も問題となったのが、日本の植民地支配で韓国側におしつけられた植民地主義史観だった。一九二四年生まれの李基白は、一九四五年の解放まで、二一年間を日帝の植民地下で暮らした。一九四一年に早稲田大学に入学した。在学中に最も影響を受けたのが、ランケの『強国論』だった。この強国論は、民...







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