今年、アイヌ民族を先住民族として認める決議が国会でなされた。しかし、その内実は薄い。二ヶ月と経たないうちに現役閣僚から、それを打ち消すような発言がなされた。
　現在、世界中で明け暮れている戦争は、すべて地球上で三割といわれている白い人たちの排他的価値観に因る。排他的神のみを認める世界観に多く起因している。自然のすべてを神として祀る多様な価値観を持つアイヌ文化から学ぶことは多い。映画『ＴＯＫＹＯアイヌ』と自伝の進行中の宇梶静江さんをルポライター・鈴木義昭氏にインタビューしてもらった。（インタビュー日・１１月７日、東京・八重洲にて）

アイヌにはモシリ（大地）に
根ざした哲学がある。
私の古布絵も絵本の形式をとって
いるが、これだって、カムイ（神）が
作らせたんだ。


テレビカメラは、私たち
関東アイヌを映さないんだ。
涙流しながら陳情してきたのに

　――今年六月六日、国会は「アイヌ民族を先住民族と認め、地位向上などに向け総合的な施策に取り組むことを政府に求める決議」を採択しました。喜ばしいことではあると思いますが、何かすっきりしないところもあります。まず、今回の「決議」に対する感想からお聞きしたいと思うのですが。
宇梶　今回の「決議」というのは、棚からぼた餅みたいですね（笑...






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