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評者◆O
生活改革運動に表れる様々な「新しい共同体」――共同体意識とユートピア的な志向性
芸術と民族主義――ドイツ・モダニズムの源流
長谷川 章
ブリュッケ
No.2898 ・ 2008年12月20日




 一九世紀初頭から二〇世紀初頭までの約一世紀を対象に、ドイツ・ナショナリズムと芸術との関係に着目し、モダニズムを民族主義の視座から考察したのが本書である。
 一九世紀のドイツでは、反フランスという意識を背景に、啓蒙主義が入らないまま、愛国主義的なロマン主義が精神文化を支配した。それはドイツ世紀末の土台となったが、もっとも特徴的だったのが「生活改革運動」と総称される社会運動だった。
 民族主義とのかかわりでドイツのモダニズムを考える場合、この「生活改革運動」は外すことができない重要性をもっている。それは、基本的には都市化と都市環境への改善運動として表れたが、同時に都市否定、都市からの脱出をもふくみ、フェルキッシュ(民族至上主義的)な動きと背中合わせだった。
 一九世紀ドイツにおける反都市運動は、自然主義と無政府主義が表裏をなしていたと著者はいう。そこには、新しいロマン主義を背景とする民族主義的なナショナリズムの効用があった。それは、ヴィルヘルム時代の一九〇〇年頃に、広く社会に浮上した。
 ここで生活改革運動は、当時の愛国主義的なロマン主義のなかで、近代化した生活を享受しつつも、それを否定する自然回帰、伝統回帰として表れた。民族文化と融合しながら、家族や食事、健康や余暇、教育とい...







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