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評者◆富山由紀子
「総括せよ!」革命小学生の愛と政治――毛皮族のアラビアンナイツバイオレンス「暴れて嫌になる夜の連続」
毛皮族のアラビアンナイツバイオレンス「暴れて嫌になる夜の連続」
毛皮族
No.2897 ・ 2008年12月13日




 結論から言おう。先ごろ上演された劇団毛皮族「暴れて嫌になる夜の連続」は、かなりの秀作であったと!!
 終幕後の心地よい高揚感は、4~5年前に下北沢の暗く小さな劇場ではじめて毛皮族を観た時のそれとよく似ていた。「暴力と欲望をメインテーマとしたストーリー」「歌謡曲にのせて繰り広げられるギラギラ&エロエロのレビュー」「サブカル好きにはたまらない小ネタの数々」これらが渾然一体となった、実に高カロリーな舞台にシビれた記憶が久しぶりによみがえったのだ。その意味では「あの頃の毛皮族が帰ってきた!」と言えなくもない。しかし、主宰の江本純子は1978年生まれ、まだ懐古趣味や原点回帰を志向するような年齢ではない。むしろ近年の江本は、過去を振り返ることなく前進しようという気持ちを以前にも増して強く抱いていたように思える。その証拠に、ここ何回かの公演では、舞台の上を自由奔放に暴れ回る劇団のキラ星「ジュンリー」(江本の愛称)を封印し、地道な努力を重ねる演出家、脚本家の顔を見せている。ストーリーやプロットの強化、劇団員の技術的向上といった基礎工事に腐心している様子からは、ストイックなまでの向上心が感じられた。
 そうした努力の延長線上にある今作は、劇団の底力がぐっとアップしたところに、かねてから江本が得...







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