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評者◆米田綱路
脱冷戦的な視点から統合に向けた歩みを検証――EU‐NATO‐CE体制の成立から終焉まで
原典 ヨーロッパ統合史――史料と解説
遠藤乾編
ヨーロッパ統合史
遠藤乾編
No.2896 ・ 2008年11月29日




 二〇〇七年、二七ヵ国に拡大されたEUはいま、総人口五億人、域内総生産は一一兆ユーロにのぼる。こうした現在の姿は、「ヨーロッパ建設」の結果できたものである。
 『ヨーロッパ統合史』は、この建設を「EU‐NATO‐CE体制」の成立から変容、終焉として捉え、跡づけたものである。
 EU‐NATO‐CE体制は、アメリカを中心とする大西洋共同体を母体として、NATOに枠づけられながら発展してきた。それは経済と政治、軍事と安全保障、規範や社会イメージにまたがって、調和的に成立した分業の構造である。
 この体制は一九五〇年代に成立したが、それに至るまでには、さまざまな「ヨーロッパ探し」の系譜が存在した。その前史の上に、戦後国際秩序のもとでのヨーロッパ建設が始められたのである。
 ヨーロッパ近代史において、常に戦争にかかわってきたのはドイツである。第一次世界大戦後のヴェルサイユ体制のなかで、敗戦国となったドイツには重い賠償義務が科せられたが、ナチズムの台頭はその懲罰的かつ復讐主義的な体制に対する挑戦であり、第二次大戦では侵略的志向性をむき出しにし、ヨーロッパに破滅的な影響を与えた。
 戦後ヨーロッパの平和構築のためには、ドイツが民主化して平和愛好国となることが第一条件だった。そのためには、ドイ...







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