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評者◆秋竜山
アア、もったいないなあ!、の巻
No.2895 ・ 2008年11月22日




 なにが淋しいかって書店のなじみの棚から、なじみの本が姿を消すということだ。すぐ別の本が並べられてはいるが、行く本、来る本ということか。「PLAYBOY日本版 終刊前号」(集英社、定価一〇〇〇円)で、過去のアッという間の出来事となってしまった。33年間なんて、本当にアッという間なんだね。〈永久保存版、総集編、前編〉というのだが、この文字が表紙に小さくのっている。自信ないような印象は、もっと堂々とバカでっかい文字であってほしいものだ。
 〈それはニュースになった。「PLAYBOY日本版」創刊号は、爆発的に売れた。発売日の1975年5月21日、用意された43万8千部は日本全国の書店で3時間で売り切れとなった。入手できなかった人たちのために、雑誌としては異例の2万2千部が増刷された。「売れた要因は、まず外国人の大胆なヌードだった」創刊当時、副編集長として雑誌のコンセプトを作った池孝晃(68)はそう分析する。〉(本誌より)
 終刊前号はニュースにならなかった。創刊がニュースになったんだから、終刊もニュースになるべきだろう。そーいうわけにもいかないようだ。私として、大ニュースになってもよいのではないかと思うくらいだ。それほど、外国人ヌードは日本人男性をたのしませてくれたのだもの。なぜ終刊になってしまったのか。外国人ヌードにあきたからだろうか。人類の歴史がこれからも続く以上、外国人だろうが日本人だろうがヌードというものがあきたというようになってしまったら、もうこの世は終りだろう。創刊当時は外国人の大胆なヌードが売れた要因だったとすると、外国人のヌードに問題があって終刊になってしまったのか。外国人ヌードのマンネリか。そんな、マンネリなどということがありえるのだろうか。でも、終刊となると、読者として、そー思わざるをえないのだ。「PLAYBOY日本版」が創刊された時、私はまず喜んだ。それは外国人ヌードもよいが、それよりも期待しているものがあった。今まで外国の「PLAYBOY」でたのしみにしていたのは、毎号誌面にかなりの枚数が掲載されていた一枚漫画。雑誌の性格上か知らないが、エロチックな内容に統一されたものであった。それでも大人漫画の作品としてたのしめるものであった。日本版が創刊されることによって、外国の「PLAYBOY」のように、今度は日本の漫画家が多く育てられるのだろうという思いがしたのであった。それによって、大人の漫画好きも、日本でもようやくそのような漫画を見ることができるぞ!と、活気づくだろうと、ワクワクしていたものだった。残念ながら、私の思わくははずれた。どうやら漫画などというものに興味ある編集者がいなかったということなのか。外国の「PLAYBOY」をせっせと買うのは、外国人ヌード見たさばかりではなかったのだ。大人の一枚漫画を見たかったからであった。そのような読者が日本にも大勢いただろう。悔いの残るのはその一点である。もちろん、外国人ヌードを見られなくなるのも悲しいものである。アア、もったいないことだ。







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