書評/新聞記事 検索  図書新聞は、毎週土曜日書店発売、定期購読も承ります

【重要なお知らせ】お問い合わせフォーム故障中につき、直接メール(koudoku@toshoshimbun.com)かお電話にてバックナンバー・定期購読の御注文をお願い致します。

評者◆小野正嗣
小野正嗣氏インタビュー 『マイクロバス』をめぐって 言葉にしか実現できない世界を――自分が受けとめたものをどう言葉にするか
マイクロバス
小野正嗣
No.2889 ・ 2008年10月11日




 小野正嗣氏の新刊『マイクロバス』(新潮社)が上梓された。今年下半期の芥川賞候補となった表題作は、九州の小さな浦を舞台に人々と風景、歴史、記憶が渾然一体となって語りかけてくる作品だ。言葉を発しない信男がヨシノ婆を乗せて運転するマイクロバスは、廃線後のバス停を一つ一つ縫い合わせるようにして走り続ける。縫い合わせようとしているものは一体何か……。氏の創作世界についてうかがった。(インタビュー日8月1日:佐藤美奈子〔本紙編集〕

「人魚の唄」と「マイクロバス」のあいだに

 ――今回芥川賞の候補作となった「マイクロバス」を感激のうちに読み終えました。傑作ですね。単行本『マイクロバス』には、まず03年12月号の「新潮」に掲載された「人魚の唄」が、その後に今年4月号「新潮」掲載の「マイクロバス」が収録されています。二作とも同じ社会福祉協議会のTシャツを着たアサコ姉が登場し、恐らく同じ舞台、時期もそんなに隔たりはないだろうと感じながら、その間にとても違うトーンを感じました。セツコさん、信男というそれぞれの主人公が抱える世界の違いも理由の一つだと思いますが、二作の間に小野さんは連作短編集『森のはずれで』を刊行されます。浦が語る作品を書いてこられた小野さんの今度の作品は森が語り手か、と思った覚え...







【今すぐどなたでも読める書評・記事はこちら】
  • 新聞連載(※一部連載を除く)
  • サイト限定連載
  • 読者書評
  • 【現在、図書新聞を定期購読されている方】
    こちらのフォームから「ご契約者のお名前」「郵便番号、ご住所」「メールアドレス」「ID・パスワード新規取得」の旨をご連絡ください。
    【定期購読されていない方】
    定期購読契約が必要です。
    こちらから定期購読のお申し込みをしてください。






    
    リンクサイト
    サイト限定連載
    
    図書新聞出版
      最新刊
    『新宿センチメンタル・ジャーニー』
    『山・自然探究――紀行・エッセイ・評論集』
    『【新版】クリストとジャンヌ=クロード ライフ=ワークス=プロジェクト』
    書店別 週間ベストセラーズ
    ■東京■東京堂書店様調べ
    1位 マチズモを削り取れ
    (武田砂鉄)
    2位 喫茶店で松本隆さんから聞いたこと
    (山下賢二)
    3位 古くて素敵なクラシック・レコードたち
    (村上春樹)
    ■新潟■萬松堂様調べ
    1位 老いる意味
    (森村誠一)
    2位 老いの福袋
    (樋口恵子)
    3位 もうだまされない
    新型コロナの大誤解
    (西村秀一)

    取扱い書店企業概要プライバシーポリシー利用規約