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評者◆矢口進也
最後まで詩人――自作に対しつねに彫琢を怠らなかった清岡は、詩神の愛を受けるにふさわしい詩人だった
清岡卓行論集成
宇佐美斉・岩阪恵子 編
No.2885 ・ 2008年09月13日




 二分冊として刊行されたこの論集は,Ⅰに「論考」として筆者別の清岡論を集め、それに「横顔」として人物論と、没後に書かれた「追悼」まで収録されている。Ⅱの主な部分は「書評 その他」と題され、詩集、小説集、随想集、評論集などの著作を発表順に、当時書かれた書評、時評、賞の場合は選評まで集めている。資料として「書誌」、「年譜」、それに索引。清岡に関する参考文献集といえる集成である。
   *
 清岡卓行といえば誰しも詩人として指を屈するだろう。しかし彼の第一詩集『氷った焔』は著者三七歳のときの刊行である。詩人、あるいは著作家としての出発はたいへん遅かった、というべきだろう。しかし驚くべきは遅い出発にもかかわらず、詩作は晩年まで一貫して持続されていた。アンソロジーや異装版を除いて一六冊の詩集があり、最後の詩集は二〇〇二年刊行の『一瞬』である。この詩心の持続はほとんど驚異的といえる。また、詩の豊穣とともに他の著作を含め、清岡の勤勉というものにも思い至る。自作に対しつねに彫琢を怠らなかった清岡は、詩神の愛を受けるにふさわしい詩人だった。
 勤勉といえば、書誌に挙げられた著作は六三点、ほかに訳書五点、編著三点、没後刊の遺作三点という。二〇〇二年以降、病気のため外出をやめた清岡の筆は止まったかに...







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