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評者◆米田綱路
組織ジャーナリズムと「個性」の相剋――緒方竹虎を主軸とする近代新聞史
占領期の朝日新聞と戦争責任――村山長挙と緒方竹虎
今西光男
新聞 資本と経営の昭和史――朝日新聞筆政・緒方竹虎の苦悩
今西光男
No.2883 ・ 2008年08月30日




 「筆政」の力量が問われた時代
                
 新聞社は古い組織である。すでに戦前期にあって、数百万部を超える発行部数を擁する一大会社となった朝日新聞においても、個性を大きく反映する言論は、個人たちの論陣によって支えられてきた。しかし、個人がそのまま個性的であることは、資本と経営とも絡んで、社をゆるがす事態へと発展しかねなかった。個性が政府や軍部と抵触するからではない。むしろ個性が言論のみならず、経営とも切り離せない時代が到来したのである。戦時体制への突入と言論統制の強化、国策協力のはざまにあって、数千人の従業員を抱える言論機関は、やがては言論ではなく存続こそが第一義となった。それでもなおかつ、巨大組織となった新聞社でさえ、難局には個人の舵取りを必要とした。ここに、「筆政」の力量が問われることになったのである。
 戦前から戦中、敗戦後にかけての朝日新聞の軌跡をたどった『新聞 資本と経営の昭和史――朝日新聞筆政・緒方竹虎の苦悩』と続篇『占領期の朝日新聞と戦争責任――村山長挙と緒方竹虎』は、そのような個人・緒方竹虎を主軸とした近代新聞史である。「筆政」とは、本書によれば新聞社の編集部門・方針を掌握することであり、その最高責任者をさすことばだったが、緒方は一五年戦争...







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