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評者◆上野昂志
追悼 赤塚不二夫 遊びをせんとや…――赤塚マンガは、徹底してアナーキーな世界
No.2883 ・ 2008年08月30日




 赤塚不二夫さんが亡くなった。
 長い間、病院のベッドで寝ていたようだから、静かに、その波瀾に富んだ生涯の幕を閉じたということになるだろう。数年前に寝たきりになったと聞いたときは、なんと気の毒なと思ったが、考えてみれば、『おそ松くん』で人気を得てから二〇年ほどは、おそ松やチビ太や、天才バガボンのパパたちに負けないくらい、エネルギッシュに遊び回っていたのだから、静かに眠り続けるのも、天が与えた休養というべきではないかと、思い直したりもした。
 いま、わたしの机の脇には、『赤塚不二夫一〇〇〇ページ』(編集・装丁=和田誠、話の特集刊)があるが、赤いニャロメが夕日の丘に片足立ちしている表紙の裏には、マジックで「上野昂志くんへ」と書かれ、その下には、赤塚不二夫のサインと、バガボンのパパが風船を持って走っている絵が描かれている。サイン会のときに買ったものだが、「くん」と平仮名で書いているのは、わたしが、子どものために購入したとでも思ったのかもしれない。そのほかの雑誌や単行本は、引っ越しの時に整理したので、いま、持っている赤塚マンガは、これ一冊だが、それでもページを繰れば、赤塚不二夫の世界がワッとばかりに拡がってくる。
 マンガ家や編集者の間ではよく、赤塚マンガは、アメリカ映画の影響を受け...







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