書評/新聞記事 検索  図書新聞は、毎週土曜日書店発売、定期購読も承ります

【重要なお知らせ】お問い合わせフォーム故障中につき、直接メール(koudoku@toshoshimbun.com)かお電話にてバックナンバー・定期購読の御注文をお願い致します。

評者◆米田綱路
「クトー・カヴォー」を超えようとした六年間――エリツィン、プーチン政権後の今日から見る歴史的意味
ゴルバチョフ・ファクター
アーチー・ブラウン著 小泉直美・角田安正訳 木村汎解説
No.2881 ・ 2008年08月09日




 ペレストロイカが最盛期を迎えた時代から、早くも二〇年が過ぎ去った。ソ連の崩壊とともに、政治家としてのミハイル・ゴルバチョフは、完全に過去へと葬り去られてしまった観がある。ソ連共産党の書記長に就任し、政治の表舞台に登場したときの、彼の存在が放った鮮烈さを、今日の時代に再現することはもはや難しい。その一方で、彼が冷戦終結のみならず、ソ連の崩壊に果たした役割の歴史的評価は、いまだ定まっているとはいいがたい。
 ソヴェト体制の建て直しが図られたペレストロイカの時代は、ゴルバチョフの浮沈とともにあった。実際、しだいに彼は改革の推進者としてよりも、ソヴェト連邦の枠組の守護者として、急進的な改革派からは批判の的となっていった。その意味で、デモクラチザーツィヤ(民主化)をめぐって、ゴルバチョフの評価はある時期を境に、まるで反転したかのようである。だが、そこで彼がなしえなかったことを闇雲に批判するだけでなく、彼がなしえたことを検証し、それらのバランスシートを作る作業は、なされていない。
 ゴルバチョフなくしては、ソ連の衰退の過程は、まったく違った様相を呈したにちがいない。その意味で、政治的過渡期において彼の果たした役割、変化のファクターとしての彼の政治を研究することは、ソ連の改革、革命、解体...







【今すぐどなたでも読める書評・記事はこちら】
  • 新聞連載(※一部連載を除く)
  • サイト限定連載
  • 読者書評
  • 【現在、図書新聞を定期購読されている方】
    こちらのフォームから「ご契約者のお名前」「郵便番号、ご住所」「メールアドレス」「ID・パスワード新規取得」の旨をご連絡ください。
    【定期購読されていない方】
    定期購読契約が必要です。
    こちらから定期購読のお申し込みをしてください。






    
    リンクサイト
    サイト限定連載
    
    図書新聞出版
      最新刊
    『新宿センチメンタル・ジャーニー』
    『山・自然探究――紀行・エッセイ・評論集』
    『【新版】クリストとジャンヌ=クロード ライフ=ワークス=プロジェクト』
    書店別 週間ベストセラーズ
    ■東京■東京堂書店様調べ
    1位 マチズモを削り取れ
    (武田砂鉄)
    2位 喫茶店で松本隆さんから聞いたこと
    (山下賢二)
    3位 古くて素敵なクラシック・レコードたち
    (村上春樹)
    ■新潟■萬松堂様調べ
    1位 老いる意味
    (森村誠一)
    2位 老いの福袋
    (樋口恵子)
    3位 もうだまされない
    新型コロナの大誤解
    (西村秀一)

    取扱い書店企業概要プライバシーポリシー利用規約