書評/新聞記事 検索  図書新聞は、毎週土曜日書店発売、定期購読も承ります

【重要なお知らせ】お問い合わせフォーム故障中につき、直接メール(koudoku@toshoshimbun.com)かお電話にてバックナンバー・定期購読の御注文をお願い致します。

評者◆T
写真は「希望」たりえるのか
フォト・リテラシー――報道写真を読む倫理
今橋映子
No.2879 ・ 2008年07月26日




「フォト・リテラシー」(Photo Literacy)とは何だろうか。著者によればその(一応の)定義は、「市民が写真メディア(特に現実を報道する役割を担う写真)を、芸術史的および社会史的文脈の双方でクリティカルに分析し、評価できる力、延いてはその知識と倫理をもって、一方で歴史認識を精錬し、他方で現在における多様なコミュニケーションを創り出す力を指す」とされる。造語ではない、ちゃんとした英語だが、英語圏でもあまり使われることはないという。
 われわれは写真、特に報道写真を、「真実」をありのままに反映する、それ自体は「透明な」媒体であると考えがちである。「純粋無垢」などというものが消え去ったかに見えるこの世でも、「(報道)写真」だけはその対象の「真実の姿」を映しているはずだと思いこんでいるのではないだろうか。本書は、報道写真をめぐる(言ってみれば)そんな「純粋無垢性」が成立した過程を(「マグナム」などの事例を用いて)追い、報道写真をめぐるわれわれの「慣習的思考」が発明=捏造された起源への反省を促す。
 内容を見ていこう。本書にまず登場するのはアンリ・カルティエ=ブレッソンである。写真(史)に多少とも興味がある人ならまず間違いなく一度は観たことがあるはずの、「決定的瞬間といえば、これ」という、あ...







【今すぐどなたでも読める書評・記事はこちら】
  • 新聞連載(※一部連載を除く)
  • サイト限定連載
  • 読者書評
  • 【現在、図書新聞を定期購読されている方】
    こちらのフォームから「ご契約者のお名前」「郵便番号、ご住所」「メールアドレス」「ID・パスワード新規取得」の旨をご連絡ください。
    【定期購読されていない方】
    定期購読契約が必要です。
    こちらから定期購読のお申し込みをしてください。






    
    リンクサイト
    サイト限定連載
    
    図書新聞出版
      最新刊
    『新宿センチメンタル・ジャーニー』
    『山・自然探究――紀行・エッセイ・評論集』
    『【新版】クリストとジャンヌ=クロード ライフ=ワークス=プロジェクト』
    書店別 週間ベストセラーズ
    ■東京■東京堂書店様調べ
    1位 マチズモを削り取れ
    (武田砂鉄)
    2位 喫茶店で松本隆さんから聞いたこと
    (山下賢二)
    3位 古くて素敵なクラシック・レコードたち
    (村上春樹)
    ■新潟■萬松堂様調べ
    1位 老いる意味
    (森村誠一)
    2位 老いの福袋
    (樋口恵子)
    3位 もうだまされない
    新型コロナの大誤解
    (西村秀一)

    取扱い書店企業概要プライバシーポリシー利用規約