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評者◆鈴木一誌
追悼 土本典昭  〈まず見る〉ひと、土本典昭──〈未完を残す〉作家は最期まで現役だった
No.2878 ・ 2008年07月19日




 この紙面が読者の手もとに届くころ、一冊の本ができ上がっているだろう。書名は、『ドキュメンタリーの海へ 記録映画作家・土本典昭との対話』。現在は東京国際映画祭アジア部門のディレクターである石坂健治さんが、土本監督から、作品歴や映画術のすべてを聞きだした決定版だ(現代書館より刊行)。今年の五月はじめ、「肺ガンらしい」との土本さんの病状が、ブックデザインを担当しているわたしにも伝わり、病状の進行と本づくりの進捗は、追いつ追われつだったが、間に合わなかった。本を土本さんに見てもらえなかった残念さを措くにしても、あまりに早い旅立ちだった。
 『ドキュメンタリーの海へ』のページを繰る者は、巻末に土本典昭署名の「あとがき」を見つけ、「二〇〇八年三月一五日」の日付を認めるはずだ。土本さんは、本の全貌を確認し、写真のセレクトやキャプションにいたるまで目を通し、「あとがき」をしたためた。デザイナーならではの感想かもしれないが、本書には、土本さんの〈眼〉が埋め込まれている気がする。
 この本は、記録映画作家についての記録だと言える。本づくりにたずさわる石坂さんや編集者、デザイナーは、記録に関する大先達である土本さんの〈眼〉をつねに意識せざるをえなかった。そんなさなかでの病巣発見の知らせだ。いつか...







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