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評者◆井出彰
アイヌ民族の頭骨、人骨の盗掘の実態──学問の名を借りた暴力性への批評
学問の暴力──アイヌ墓地はなぜあばかれたか
植木哲也
No.2877 ・ 2008年07月12日




 先月、アイヌ民族を先住民族とすることを求める国会決議が採択された。しかし、北海道選出の官房長官をはじめ政府もどこか積極的ではない。一応先住民として認める姿勢をみせたものの、昨年の国連宣言や、これから行われる洞爺湖サミットの開催地であることなどを配慮しただけのことに過ぎない。例によって有識者会議を設けて今後問題点を検討していきたい、と先延ばしにしている。そんな時期、その歴史や過去の実態、内実の一端を知らせてくれる一冊の本が出た。
 小金井良精、清野謙次、児玉作左衛門の名は、それに更科源蔵、金田一京助らの名を加えて少しだけ知っていた。だが、三人が実際にどれだけの数の頭骨や人骨を発掘したのか、それもどんな方法で、どう使ったのかについての知識は皆無だった。それを、著者は人類学会、民族学会、細菌学会等の調査報告書や紀要など一般の人間の目にはなかなか触れることのない記録を丹念に調べ、検討して我々の前に開示してくれた。
 ・(小金井は)その後も、発掘は旅先の各地で行なわれた。静内の目名では、アイヌの人々が出稼ぎに出て留守中の村から、七体の頭骨を発掘した。十勝国広尾の茂寄では、昼間に印をつけておいた墓を、夕食後人を二人やとって、やぶ蚊に苦しめられながら、月明りでは二日間で一九個の頭骨を得た...







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