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評者◆T
「ユダヤ人大量虐殺」への道──ホロコーストの実行が直線的なものでは決してないことを示す
ホロコースト──ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌
芝健介
No.2874 ・ 2008年06月21日




 著者の芝健介氏は、日本におけるナチスによるホロコースト研究――翻訳については『ホロコースト全史』(マイケル・ベーレンバウム著、邦訳・創元社)の日本語版監修者をつとめるなど――に多大な貢献をしてきた。その氏が「ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌」との副題をもつ書を上梓した。氏は本書の「まえがき」で、「ホロコーストは、日本に限らずヒトラーという狂気に満ちた独裁者が、ユダヤ人への憎悪から発案し、彼の命令によって実行されたととらえられがちである。だが、事実はそのように単純ではない」と述べ、同じように「あとがき」で、「(ホロコーストの実行が)直線的なものでは決してないことを理解してほしい」と繰り返している。また、本書執筆の動機を「映画などで断片的なホロコーストの情報があふれるなか、多くの人に向けて、基本的事実の整理、重要なポイントの把握、事態の連関の発見などをいささかでも提供できたらとの思いからである」としている。その意味では、ヒトラーやナチスが「悪い人(たち)」だとは知っているが、それ以上ではない人にとって、本書はホロコースト(「ショアー」とも呼ばれる)という未曾有の事態がいかなるものであったのかを知るのに恰好のものであろうし、ホロコーストに多かれ少なかれ関心のある読者には「基本的事実...







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