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評者◆保立道久
保立道久氏に聞く、『永原慶二著作選集』全一〇巻 全面展開する歴史学──もっとも「戦後歴史学」らしい学風をもった歴史家の全貌
永原慶二著作選集
永原慶二
No.2872 ・ 2008年06月07日




 「戦後歴史学」を代表する存在であった、永原慶二氏の仕事を集成する『永原慶二著作選集』全一〇巻が刊行された。専門の日本中世史研究のみならず、史学史や歴史教育、歴史学の方法論といった、永原氏の幅広い業績の全体像をうかがい知ることができる。本著作選集完結を機に、第九巻『歴史学序説 20世紀日本の歴史学』の解説を執筆した東京大学史料編纂所の保立道久氏に、「永原史学」をめぐって話をうかがった。(5月12日、 東京大学にて/聞き手・米田綱路〔本紙編集〕)


   戦後歴史学批判

 ――保立さんは、『歴史学をみつめ直す――封建制概念の放棄』(校倉書房、二〇〇四年)の中で、永原さんを「もっとも戦後歴史学らしい学風をもった歴史家の一人」と書かれています。
保立 それが実感です。私は一九四八年生まれですけれども、私ともう少し下の世代までは、石母田正さんの『中世的世界の形成』を読んで中世史に誘われ、次には永原さんの仕事をテキストにして勉強を始めたという人が多いのです。
 戦後歴史学を代表するというのは、まずはそういう経過の問題です。たしかに永原さんは、皇国史観に対する強い批判、経済史を基礎にした普遍的で透明な論理などの点で、いかにも戦後歴史学という方です。しかし、戦後歴史学の最初の指導者であった...







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