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評者◆入江公康
眠らせろ!──「現実的なものの専制」に抗して
眠られぬ労働者たち――新しきサンディカの思考
入江公康
No.2871 ・ 2008年05月31日




 ――入江さんは社会学や労働運動史の実証的研究がご専門ですが、本書冒頭で、「なにか古くさく、すでに終わったものとして考えていたかった(……)〈労働〉をめぐる問い、あるいは〈労働〉への問い」が本書にはあると述べられています。そもそもなぜ入江さんは〈労働〉に着目されたのですか。
入江 思想的にも雰囲気的にも「ポストモダン」が席巻している状況で、それは〈労働〉を不可視化してきたのだともいえます。このことは労働と非労働が不分明になるという事態の進行と並行している。またそれに追い討ちをかけるようにして〈労働〉問題は真面目で古くさくて、それこそアナクロだという攻勢がかけられていたし、そう思おうとしてきたのではなかったか。そんななか「搾取」なんて言葉を出すとすればそれこそ「浮く」。今でこそ「格差」とか「貧困」とかいわれてある意味可視化されてきはしたが、少し前まではけしてそんなことなかった。資本主義を考えるには〈労働〉をどんな形でか捉えないといけない。賃労働が存在して、搾取のシステムは稼動しているわけですから。当初は労働運動史というよりも社会政策史という領域の中で考え始め、日本資本主義の総体を問題にし続けてきたのが今日に繋がっています。「社会政策」というのは、日本でマルクス主義が有力になる以前か...







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