――発売されてからの販売や増刷の状況について教えて下さい。
小駒　この『新潮日本語漢字辞典』は、去年の九月二七日に初版一万部でスタートしました。当初は三、四年の間に一万部売れればいいんじゃないか――何せ紙の辞書があまり売れない時代になってきましたので――と思っていたのですが、驚くことに最初から非常に出足がよく、発売二週間で増刷が決まりました。第二刷が五千部、十二月にさらに五千部、一月に入ってから一万部、合計三万部というところまできました。
ただ、やはり辞書というものはつくるのに大変時間がかかります。特殊な紙を使用していますから、増刷が決まってもそれを漉くところからはじめなくてはなりませんし、製本にも紙に重しをかけるとか、一般の本と違った手間がかかります。そのため、十二月に発注した三刷が、ようやく三月五日に市場に配本されるという状況なんです。三月中には四刷の一万部もなんとか市場に出荷できるのではないかと思っています。
――何か売れ行きに直接結びつくきっかけのようなものがあったのでしょうか。
小駒　一番反響がすごかったのは一月十二日にＮＨＫの朝の番組で紹介されたときです。その後、爆発的に売れ出しまして、三日後くらいには全国の市場在庫がなくなってしまったんです。
　後は、『広辞苑』さんの第...






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