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評者◆橋本 努
評
原理的な「礎」 凄まじい知的エネルギーの成果
マックス・ヴェーバーにとって社会学とは何か──歴史研究への基礎的予備学
折原浩
著
勁草書房
公共善の政治学──ウェーバー政治思想の原理論的再構成
雀部幸隆
著
未來社
No.2862 ・ 2008年03月15日
ウェーバー研究の新たな収穫期といえるかもしれない。昨年末に雑誌『現代思想』がマックス・ウェーバーの特集号を組むと、ほぼ時を同じくして、ウェーバーの人格像を刷新する二つの研究、すなわち、羽入辰郎氏の新書『マックス・ヴェーバーの哀しみ』と今野元氏の大作『マックス・ヴェーバー』が刊行された。さらに、佐野誠著『ヴェーバーとリベラリズム』は、ウェーバーの規範理論的見地を鋭く描き出し、松井克浩著『ヴェーバー社会理論のダイナミクス』は、「カテゴリー論文」を読み解くことによって戦後民主主義的なウェーバー理解に批判を加えている。
ウェーバー研究の二人の重鎮、折原浩氏と雀部幸隆氏も、昨年末にそれぞれ刺激的な著作を刊行された。折原浩著『マックス・ヴェーバーにとって社会学とは何か』は、ウェーバーにとって社会学そのものが、歴史研究のための基礎学であるとの理解から、「カテゴリー論文」「倫理論文」および「正当性」の概念を検討する。これに対して雀部幸隆著『公共善の政治学』は、ウェーバーの政治理論的主張を現代規範理論のなかに位置づけるという、再構成を企てたものだ。いずれも凄まじい知的エネルギーの成果であり、七〇代を迎えた両氏の旺盛な研究力には、脱帽するほかない。ウェーバー研究をリードされてきた二人に、心か... 【現在、図書新聞を定期購読されている方】 から「ご契約者のお名前」「郵便番号、ご住所」「メールアドレス」「ID・パスワード新規取得」の旨をご連絡ください。 【定期購読されていない方】 定期購読契約が必要です。 こちらから をしてください。 |
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