書評/新聞記事 検索  図書新聞は、毎週土曜日書店発売、定期購読も承ります

【重要なお知らせ】お問い合わせフォーム故障中につき、直接メール(koudoku@toshoshimbun.com)かお電話にてバックナンバー・定期購読の御注文をお願い致します。

評者◆小出裕章 評
地震から免れる場所などどこにもない
「震度6強」が原発を襲った
朝日新聞取材班 著
朝日新聞社
No.2850 ・ 2007年12月15日




 柏崎・刈羽原発震災
 二〇〇七年七月十六日、世界中の原子力関係者に衝撃が走った。新潟県中越沖地震が柏崎・刈羽原子力発電所を襲ったからである。原子力発電所は巨大な危険を内包するため、破局的事故の可能性が付きまとう。そのため、世界中の原発は、ほとんどすべてが地震地帯を避けて建設されてきた。しかし、日本は世界一の地震国で、地震から免れる場所などどこにもない。それにもかかわらず、すでに五五基の原発を林立させてしまった。
 柏崎・刈羽原発は七基、合計出力八二一万キロワットを持つ世界最大の原子力発電所である。しかし、それが建つ場所は「日本海東縁変動帯」と呼ばれる地震地帯に属し、一号機が設置されようとした一九七〇年代初めから周辺住民によって地震の危険性が指摘されていた。原発の設置者である東京電力は、その指摘を無視し、どんなに大きくてもマグニチュード六・五の地震を想定しておけばよいと主張した。そして、それを国の安全審査が認めて、原発の運転にこぎつけた。
 ところが、事実は東京電力や国の主張と異なっていた。柏崎・刈羽原発の直下に活断層があり、それが原発を襲ったのであった。起きた地震はマグニチュード六・八という比較的小さなものであったが、東京電力の勝俣社長自身が「想定していなかった」と言ったよ...







【今すぐどなたでも読める書評・記事はこちら】
  • 新聞連載(※一部連載を除く)
  • サイト限定連載
  • 読者書評
  • 【現在、図書新聞を定期購読されている方】
    こちらのフォームから「ご契約者のお名前」「郵便番号、ご住所」「メールアドレス」「ID・パスワード新規取得」の旨をご連絡ください。
    【定期購読されていない方】
    定期購読契約が必要です。
    こちらから定期購読のお申し込みをしてください。






    
    リンクサイト
    サイト限定連載
    
    図書新聞出版
      最新刊
    『新宿センチメンタル・ジャーニー』
    『山・自然探究――紀行・エッセイ・評論集』
    『【新版】クリストとジャンヌ=クロード ライフ=ワークス=プロジェクト』
    書店別 週間ベストセラーズ
    ■東京■東京堂書店様調べ
    1位 マチズモを削り取れ
    (武田砂鉄)
    2位 喫茶店で松本隆さんから聞いたこと
    (山下賢二)
    3位 古くて素敵なクラシック・レコードたち
    (村上春樹)
    ■新潟■萬松堂様調べ
    1位 老いる意味
    (森村誠一)
    2位 老いの福袋
    (樋口恵子)
    3位 もうだまされない
    新型コロナの大誤解
    (西村秀一)

    取扱い書店企業概要プライバシーポリシー利用規約