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評者◆新城郁夫 評
「米軍再編」という虚偽的認識
【市民講座】いまに問う 米軍再編と前線基地・日本
木村朗 編
凱風社
No.2847 ・ 2007年11月24日




 「米軍再編」という言葉が見馴れた文字となり、常套句化し、あたかも既定事実でもあるかのごとき「自然」さのなかに埋没していく過程の裏面で、新帝国秩序という恐ろしく危機的な軍事主義的制覇が、日米軍事同盟を軸として遂行されていこうとしている。だが、ここで注意しなければならないのが、「米軍再編」と同様に、この「日米軍事同盟」という言葉すらも既に一種の にほかならないという点である。破壊的進行をみせているアメリカの一国主義的軍事グローバリズム拡張という現実のなかで、アメリカと日本が対等な国家などであるわけがないのであって、そこには、アメリカという新帝国へ日本が吸収・統合されていくという事実があるに過ぎない。むろん、日本という国家が傀儡であり虚像であることは悲嘆すべきことでもなんでもないが、その事実が隠蔽されようとする過程において、「国民」の再編のもと、極めて暴力的な国家的統制が強化されていく現状は、やはり注視されなければならない事態である。
 いま起きている「米軍再編」は、単なる軍事バランスの変化などではない。それは、全く新しい戦時体制の構築と言うべき大転換であり、日本との関係に限定して言えば、自衛隊という巨大な軍隊組織をまるごとアメリカ軍の配属下に統合し、対テロ戦争という確たる敵も戦...







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