学術
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言語学という「科目」
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書籍・作品名 : はじめての言語学
著者・制作者名 : 黒田龍之助
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いなり寿司
59才
男性
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前書きにも記されていますが、平易な文章で著すにしても、学問である以上、簡単なものではあるはずもなく、確かに一通り読んでそれで理解できるほど容易ではありません。大学の教養課程に履修する「科目」として読者対象が想定されているようです。まあ、私の授業を履修するのだから、私の好きなように話をさせて頂きます、という著者の姿勢が色濃く出ています。言語学も学問として多くのジャンルに分かれている事は例外ではなく、特に厳密さが要求されるため専門用語が多く、つまりは約束事が多いので、専門用語をできるだけ使わずに記述しようとしても、約束事を網羅的に示そうとすれば、それだけでまるまる一冊の本になってしまいます。しかし、これでも入門、基礎の基礎であると著者は書いています。随所に著者の言語学に対する姿勢が顔を出し、とてもユニークな内容であると同時に、教えるべき事はしっかり書いてある良心的な内容だと思います。特に著者は「にぎやかな言語学」というコンセプトで、様々な外国語に触れてほしいという思いが基本にあるため、紹介されている言語も多様で、読者は多様な言語への関心を惹起されるのではないでしょうか。言語学を志ざす読者はもちろん、外国語に関心を持つ広い読者に、この本をその入口として読まれる事を私は希望します。少しクセのある文章ですが、言語学に対する誤った思い込みを片端から潰していく流れに行きつ戻りつしながら、言語学の入り口をツアーのように巡り、多様な言語に平等であれ、と力を与えてくれます。
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