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学術
隣国の出来事
書籍・作品名 : 文化大革命
著者・制作者名 : 矢吹晋  
いなり寿司   58才   男性   





中国(中共)の政治体制や人々の事も含めて、それほど以前ではない歴史も知らずに過ごしていて、馴染みがないのだな、と痛感した。多くは毛沢東を初め、文革期の指導者の内部抗争、または政策が論じられていたが、一党独裁のプロレタリア国家の姿は捉えにくかった。人々(人民)がその強制的な流れによく従ったものだと思う。もっとも、従わなければ生きてはいけない事情があったのだろうけれども。これから中国史を学ぶ人にとっては、豊富な史料がまとめられていて役に立つ本だと思った。指導者たちが批判や密告、吊し上げなどにより悲惨な最期を遂げるのは痛々しい現実だけれども、そういう体制だったのだ。単純に重ね合わせる事はできないだろうが、日本の労働運動や学生運動もこのような姿だったのだろうか。それはよくわからない。歴史を振り返る事なく、情報を封印してただ前を見て進めという態度は、歴史に対して誠実ではないと思う。どのような体制下に生きていても、過去および現在の過ちを反省し、真摯な対応をして関係を築いていく事が大切であると改めて思う。そのような意味で、「文化大革命」を知る事は大いに参考になると思った。






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