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評者◆秋竜山
一寸先はマスク、の巻
No.3443 ・ 2020年04月11日




■わからない。どっちを信じていいのか、まったくわからない。テレビでは、新型コロナウイルスの感染拡大によって、感染爆発のため世界新型コロナ戦争ともいえる恐ろしいことになってしまった。そのことで、マスクをしなくてはいけないという専門家もいれば、したところで効果はないという専門家もいる。どっちなんだ。どっちが正しいのか、どっちを信じればいいのか。わからないから、とりあえずマスクをして外出している。とりあえずビールとまったく同じことか。とりあえず、効果ありを信ずるしか手はないようでもある。とはいえ、わからないからマスクをしているという念のためのようなもの。この事件ほど、わからないということについて考えさせられたことはない。そして、わからないということで、とりあえずという意味をもたせるということである。わかるということになれば、マスク不要ということになるのではないか。ASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)『謎解き古代文明』(彩図社文庫、本体六九四円)に、ノアの箱舟のことがのっている。
 〈人間たちが堕落し、地球上に悪が増したのを目にした神は人間だけでなく地上のすべての生きものを滅ぼすことを決意する。〉(本書より)
 神とは、恐ろしいけど、ありがたいものであるということか。神は絶対的に正しい存在であり、どちらかわからないなどというものではないと思う。ところがノアの箱舟伝説でわからないのが、神が今までの世界をほろぼして新しい世界をつくろうとしたことだ。ほろぼされたものは、たまったものじゃない。
 〈神はノアという心正しい男にだけはこのことを教え、大きな箱舟を造り、そこにノアとその家族、それに地上の動物をひとつがいずつ乗せるように指示する。〉(本書より)
 有名な場面であり、映画などでは、大スペクタクルで感動させられる。すべての生きものを、つがいにしたのが面白い。
 〈ノアが箱舟を完成させると、神は地上に洪水を起こす。40日間、雨が降り続き、すべての山は水中に没した。地上の生きものは死に絶えた。ノアと彼の家族、それに動物たちを乗せた箱舟は海上に漂ったが、150日後には水が引きはじめ、現在のトルコにあるアララテ山の山頂に漂着した。地上が完全に乾くと、ノアの家族と動物たちは外に出て、全世界に広がった。〉(本書より)
 人類の歴史の中で、マスクというものがこれほどまでに問題視されたことがあっただろうか。一寸先は闇というが、一寸先はマスクである。この恐るべき新型コロナウイルス世界大戦争も、いつか終息するはずである。そんな時、ノアの箱舟とかさねあわせて論ずる人は一人もいないだろう。バカげた想像力ということになるにきまっている。そして、もし、あの時、マスクがなかったら人類を救うことはできなかっただろうなんて、いう専門家もいないだろう。あれは、ノアの箱舟と同じように神がしくんだ試練のようなものであったなどという人もいないだろう。この大事件によって犠牲者となられた人たちは、人類の身がわりになられたようで気の毒でならない。忘れてはいけないことであると思う。そして、新型コロナウイルス世界大戦争は今、もっとも危険なピークに達して進行中である。早くなんとかしてほしいものだと、神に祈るしかないのか。人類はマスクをしてガンバっています。二枚、三枚、一〇枚がさねをしろといわれれば、いたします。それにしても、どこの店へいってもマスクの品切れ、そっちを何とかしてほしいものである。







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