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評者◆秋竜山
利口とは何か、の巻
No.3442 ・ 2020年04月04日
■先週の「バカにつける薬」について、大事なことを忘れていたことに気づいた。と、いうのは、「バカにつける薬」は、バカのための薬であるということだ。と、なると、全世界の一人のこらず対象となるということだ。人類すべてバカによって成り立っている。用意すべき数だけは用意されるだろう。世界中にどれだけの数の人間がいるのか、しらないが、それだけのバカがいるというのである。そして、買う人もいれば買わない人もいるだろう。ところが、ここに大問題が生ずる。バカなことに、自分は利口であると信じている人がいるということだ。そんな人は、そんな薬など、もとめたりするわけがない。必ずしも買わせる必要もない。「あいつは、バカだけど俺はバカではない」と、始末にわるい見解をもっている。そして、「俺は、そんな薬をつけるほどバカではない」と、いう理由だ。「あなた買ってきて、つけなさいよ」と、妻。「バカヤロー、俺よりもお前がつけるべきだろう」と、亭主。二人して仲よくつけるべきだろう。発売当日、薬局に長蛇の列、と思いきや一人もならんでいなかった。ましてや、そんなところへ、一人でもならぶ人がいますか。では仮に、薬局の中にはいったとする。店員に「バカにつける薬をください」と、いえるだろうか。店員に「ハイ!! わかりました、バカにつける薬ですね」と、念をおされると、「バカヤロー、俺をバカにするな!!」と、どなりかえすことになるだろう。「ある知り合いにたのまれましたが、バカにつける薬をください」と、いう手もある。その薬をつけて利口になったとする。では、利口になるということは、いったいどーいうことか。利口とは何かということになる。「利口バカ」という新人類がうまれるということだろうか。
ASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)『謎解き古代文明』(彩図社文庫、本体六九四円)では、〈ギザの大ピラミッドの謎〉に、ついて。 〈カイロ郊外ギザの台地にそびえ立つピラミッドは、世界で最も有名で最も謎に満ちた“建造物”だろう。3つのピラミッドのうち世界最大の大ピラミッドは紀元前26世紀頃に作られたと考えられている。正四角錐で底辺230メートル、高さ138・74メートル(完成時146・6メートル)。傾斜角は51度52分。正確に東西南北に面して建てられている。〉(本書より) 写真などでみると、正三角の石をつみあげたものである。王の墓だということになっているが、その証拠は何もないという。 〈教科書ではクフ王の墓だとされているが、そもそもピラミッドが王墓だという証拠は何もない。ミイラや棺はもちろん、副葬品も壁画もない。王の名がふさわしい場所に書かれているわけでもないし〉(本書より) キツネにつままれたようなものが、ピラミッドそのものである。本書ではその謎だらけのことが詳細に書かれている。そんなバカにされたようなピラミッドへ私は四十年以上前に出かけて行ってきたのであった。なぜか。さそわれたからである。もちろん観光旅行であった。先輩のマンガ家に連れられてであるから、ただ後をついて歩くという旅行であった。もちろんピラミッドの中へ入った。残念なのは、その時の旅行は、ねむくてねむくて、起きていられない程の睡魔におそわれ、ただいねむりするという、自分でもわけのわからない旅行であった。アァ、なんということだ。と、今でも思う。そして、今でも思うことは、ねむいのを起きていなければならないという、つらさであった。 |
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