書評/新聞記事 検索  図書新聞は、毎週土曜日書店発売、定期購読も承ります

【重要なお知らせ】お問い合わせフォーム故障中につき、直接メール(koudoku@toshoshimbun.com)かお電話にてバックナンバー・定期購読の御注文をお願い致します。

評者◆秋竜山
祝! 連載1500回!!、の巻
No.3417 ・ 2019年10月05日




■笑いというものが、お金になるということを発見したのは誰か。そのお金を見て、笑いがとまらなかったはずだ。笑わせて、いくらの笑いである。そうなると、笑わせて稼ごうとするヒトによって、笑いも大きく変わる。お笑い芸人がそうだ。笑いを売って巨万の富をえた芸人もいることになる。今まで只で笑っていたものにお金が入ってくる。時は金なり、笑いは金なり。笑いはお金の相場ということになる。植西聰『「笑いの力」で人生はうまくいく』(ゴマブックス、本体一二〇〇円)では「微笑み」から「大笑い」まで、「笑いの効用と上手に笑うコツ一挙掲載!」と、いう内容である。
 〈ドイツの哲学者であるニーチェ(19~20世紀)は、「笑いとは、地球上で一番苦しんでいる動物が発明したものである」と述べました。この言葉にある「地球上で一番苦しんでいる動物」とは、「人間」を指します。つまり、「笑いとは、人間が発明したものだ」ということです。では、なぜ人間は「笑い」を発明したのでしょうか?それは、笑うということがなければ、人間は「生きる苦しみ」に耐えていけないからです。(略)もし人生が苦しいことをただ耐えしのぶだけのものだとすれば、人の心はきっと壊れてしまうでしょう。そこで、笑うことが必要になってくるのです。〉(本書より)
 笑いがお金になるということは、発明というべきだろうけど。発見といったほうがいいだろう。人を笑わせる天才がいたら、巨万の富をえることができるはずだ。たとえば、マンザイは笑わせるために存在する。二人ならんで、馬鹿なことをいいあって、笑わせる。そして、お金にする。つまり、面白ければ笑うだろうし、つまらなかったら笑わない。
 〈世代別に、「笑う」と、どのような変化が生じるかを調べたものです。まず、それぞれの世代別に、「日常生活の中で、よく笑うほうですか?」と尋ねました。その結果、三十代の人は、65パーセントの人が「はい」と答えました。しかし、四十代になると、「はい」と笑えた人が、50パーセントに減りました。さらに、五十代になると、45パーセントに減りました。また、小学校に通う子供たちは、一日平均して300回程度笑うのですが、七十代になると平均して一日2回程度しか笑わないというのです。〉(本書より)
 若い人には笑いでお金を稼げるが、年寄りはお金にはならないということだ。若い人は笑うエネルギーがあっても、年寄りは笑うエネルギーというか元気もないということだろう。テレビ番組をみるとわかるが、笑いは若い人だけのようだ。年寄りは相手にできないということである。昔、映画で、キャッチフレーズに「二倍泣けます」というのがあった。だから「ハンカチを二枚用意してください」という。その時は、若い人も年寄りも二倍泣けるのをたのしみに映画館へ足を運んだ。子供の私なども泣いた記憶がある。ハンカチを三枚用意してください!! と、いうのはなかった。二倍泣けるということはないのだろうか。二倍笑えるというのもなかった。大笑いさせます。とか、爆笑させますとかあったが、そのわりには笑えなかったように思う。涙がでるほど笑えますというのもあった。人は笑いたがっているのに、お金を沢山だしたから笑えるというものではない。笑えればお金を沢山だすということだ。







リンクサイト
サイト限定連載

図書新聞出版
  最新刊
『新宿センチメンタル・ジャーニー』
『山・自然探究――紀行・エッセイ・評論集』
『【新版】クリストとジャンヌ=クロード ライフ=ワークス=プロジェクト』
書店別 週間ベストセラーズ
■東京■東京堂書店様調べ
1位 マチズモを削り取れ
(武田砂鉄)
2位 喫茶店で松本隆さんから聞いたこと
(山下賢二)
3位 古くて素敵なクラシック・レコードたち
(村上春樹)
■新潟■萬松堂様調べ
1位 老いる意味
(森村誠一)
2位 老いの福袋
(樋口恵子)
3位 もうだまされない
新型コロナの大誤解
(西村秀一)

取扱い書店企業概要プライバシーポリシー利用規約