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評者◆Toshiyuki Oda
地球外にいくつもの文明社会がある
地球外生命と人類の未来――人新世の宇宙生物学
アダム・フランク著、高橋洋訳
No.3401 ・ 2019年06月01日




■天体物理学者である著者による地球外生命探索の本格的な解説。には違いないが、どうやら著者が一番訴えたいのはストップ環境破壊、のようだ。
 著者の立場は、地球外にいくつもの文明社会がある、というものだ。生命が棲息可能な惑星の位置(ハビタブルゾーン)、大地や大気が存在する確率、生命の発生確率、知的生命体へ進化する確率、をかなり悲観的に見積もってみても、この広い宇宙には多くの文明があるはずだという。
 若い文明は化石エネルギーを使うに違いないから、文明の発展をさらに進めると、環境破壊によって生命が棲息できない惑星になってしまう確率が高まる。おそらく、どの文明も持続可能な太陽エネルギーに転換しようとするだろうが、手遅れになるパターンがありそうだという。
 近年まで金星人や火星人を想像していたエピソードが面白い。実際に探査機を飛ばして、がっかりな結果に終わるが、そこから得た惑星の知識が地球外生命探索の研究に繋がっていく。
 太陽エネルギーの活用について、ものすごいアイデアがあることを知った。太陽光発電パネルで太陽をまるっと取り囲むのが究極の活用だという。そんな巨大な球体パネルを作るには、惑星ひとつ分の材料が必要になるだろう。考案者の名前をとって「ダイソン球」というそうだ。







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