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同人誌時評
同人雑誌の価値について改めて考えさせられる――桜井信夫「『火をつけにきた男』 野間宏『暗い絵』の思い出から」(「ペガーダ」)、中尾務「富士正晴と『海風』同人たち――青山光二、柴野方彦との交流から」(「VIKING」) たかとう匡子
古代を舞台とする中・短篇歴史小説に注目――奈良時代の帝王と臣下の権謀術数を壮大な規模で描く、K・ドリーの「熟田津」(「原点」)、荒廃した室町時代を舞台に盗賊三人の生きざまを綴る、川高保秀の「盗人三態」(「呼」) 志村有弘
反詩のなかの私人像がさわやかな息づかいのうちに実現――野木京子の編集手腕をも評価したい「新井豊美、その不在を抱き寄せて」(『スーハ!』特集) たかとう匡子
全世代共存という視点が大事──俳句との関係で興味ぶかい「吉岡実と下町」(中島敏之『鬣』)、足型を作るという発想が面白い「夜の足型」(上原輪、『照葉樹二期』) たかとう匡子
歴史・時代小説の数々と、〈老〉を題材とした作品──時代小説の快作「蕎麦打ち侍」(周防凛太郎「ガランス」)、ユーモアを滲ませて老いの日々を綴る「花のあとさき」(伊達次郎「風姿」) 志村有弘
地方からの視点で書くシステムが重要──人なつっこく新鮮な杉山平一像を提示する「モダニズム詩人 荘原照子 聞書──松江の人々」(手皮小四郎「菱」) たかとう匡子
歴史的事実に対し大胆な異説を試みている──一揆軍の苦悶を綴るキリシタン小説「パライソ」(木下恵美子『詩と眞實』)、放浪の俳人の飄々とした姿を綴る「井月の歳月」(陽羅義光『文学街』) 志村有弘
生きることの価値を切実に問いかける作品──石巻の友人の言葉を受けて記した評論「今、挽歌とは」(桜井由香『未来』)、逆縁の別れの悲しさを3・11にモンタージュさせる「逆縁」(牧野恭子『槇』) たかとう匡子
抒情豊かな作品と重厚な歴史小説──散文詩を思わせる「詩歴」(池戸亮太『あるかいど』)、昭和時代走馬灯の感(秋田稔『探偵随想』)、仙台藩の米騒動を綴る「安倍清騒動」(宇津志勇三『仙台文学』) 志村有弘
教えられることが多くある問題提起作品――中野家の人間関係を解き明かす「竹行李の中」(定道明、『青磁』)、大阪の詩風土と関連させて説き起こす「金時鐘 今思うこと二、三(3)」(倉橋健一、『イリプスⅡnd』):7月 たかとう匡子
慟哭・悲憤の言葉が重く訴え、迫ってくる――政治に対する批判も見える力作「闇の迷走」(柳原忠行、『佐賀文学』)、高齢者の不安定な現在・未来を暗示する「老いこらす」(波佐間義之、『九州文學』):5月 志村有弘
ひとりで書いて読んで考える醍醐味――同人雑誌のいまを考える「同人雑誌と文学」(根保孝栄、『コブタン』)、大人も読める童話「罠にかかった狐」(竹内英海、『てくる』) たかとう匡子
女性作家の佳作・力作多数――同級生の個性的で数奇な人生を描く「上海帰りの順子」(西芳寺静江、『水晶群』)、女の孤愁がよく表現されている「家族の闇」(藤井総子、『海峡』) 志村有弘
力作エッセイと評論が目白押し――膨大な参考資料を探し、駆使した捜査手法に驚く「真説眞杉静枝 第21話 高見順と眞杉静枝(2)」(中村俊輔、『朝』)など 福田信夫
刺激を受ける労作多数――自分の記憶に対する画期的な聞き書き「多喜二の母を訪ねた――セピア色の記憶」(大牧富士夫、『遊民』)、根気よく丁寧に梶井基次郎作品を紹介し、検証する「表現者の成立――「檸檬」まで」(小楠久央、『龍舌蘭』) たかとう匡子
感動を呼ぶ労作多数――晩年に至るまでの二人の姿と業績を詳らかにする「尾崎翠と高橋丈雄の周辺」(井上嘉明、『流氷群』)、母と妻の一途な姿に圧倒される「赤本二題」(堀坂伊勢子、『文宴』) 福田信夫
読み応えのある歴史・時代小説――津木林洋の力作歴史小説「画道遥かなり」(せる)、陰謀の渦に巻き込まれた男を描く本興寺更の時代小説「狙撃」(文芸中部) 志村有弘
圧倒的な現実の前で書くということ――間接体験として災害を考える「着信あり、東日本大変」(ゆとろ満、『琅』)の作品としての誠実さ、「鹿ヶ城」(近江静雄、『仙台文学』)の前景と後景の使い分けに作品化の手本をみる たかとう匡子
文芸作品の見事な〈芸〉――富崎喜代美の小説「魔法の鏡」(『九州文學』)の群を抜く面白さ。奥野忠昭の「誰そ彼どき」(『せる』)に見る現代人の病める心と不安定感。 志村有弘
同人誌の鑑となる健在ぶりの二誌――縁故疎開・集団疎開の実態を明かす「十歳の集団疎開児」(伊藤幹彦、『遊民』)、実在の人物を通して太宰治の晩年の悲痛な姿を描いた「オリオンの星は燦めく」(浅田高明、『異土』) 福田信夫








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■東京■東京堂書店様調べ
1位 マチズモを削り取れ
(武田砂鉄)
2位 喫茶店で松本隆さんから聞いたこと
(山下賢二)
3位 古くて素敵なクラシック・レコードたち
(村上春樹)
■新潟■萬松堂様調べ
1位 老いる意味
(森村誠一)
2位 老いの福袋
(樋口恵子)
3位 もうだまされない
新型コロナの大誤解
(西村秀一)

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